絶食は体にとっていいの?

どうしても痩せたい!そんな気持ちが強まり、思い切って「絶食」を試みた方もいるのではないでしょうか?
絶食、つまり食事を摂らずに過ごすことのメリット・デメリットについて、医学的な結論をまとめてみました。

絶食をすることで得られるメリットとは?

絶食をする(カロリーを摂らない)ことのメリットとして、

・カロリー取り過ぎによる肥満の防止、ダイエット効果がある、
・膵臓から出るインスリンの分泌を押さえ、膵臓機能の温存を保つ、
・胃粘膜の荒れ・潰瘍や、腸管の炎症などを和らげる、

などがあげられます。

また、空腹状態を作り出すことで、アドレナリン分泌を亢進させ、物事に対する集中力やる気を増加させる、という効果もあるかもしれません。

デメリットについては?

人の体は、一日数回食事を摂ることで、安定した新陳代謝を保っています。そのため、一定期間食事をせずに過ごすことで、そのバランスが崩れる可能性があります。具体的には、

・次回の食事を取った際に、必要以上に食べ過ぎてしまい、結局はカロリー過多となり、肥満につながる、
・ホルモンバランスの崩れにより、例えば、月経周期の乱れ、更年期障害の悪化をもたらす、
・口腔内の細菌叢が乱れ、むし歯が多くなる、嚥下障害が起こりやすくなる、

などがあります。

正しい絶食の仕方は?

基本的に、正しい絶食というのはあり得ません。しかし、胃腸の調子が悪い、あるいは手術を控えているなどで、医学的に絶食が必要になる場合があります。そのような場合には、

・可能であれば水分を必ず摂り、絶食のみならず絶飲食にした場合には、点滴で水分補充をする、
・全くカロリーを摂らない絶食は危険なので、水分摂取が可能な場合には、何かカロリーが入った飲料を摂るようにする、
・思わぬ怪我をすることがあるため絶食中は無理な運動を避ける、

などがあります。

絶食することによる危険性などあるのか?

絶食の危険性として最も恐るべきことは、命に関わる合併症です。過度の空腹により、脳内の交感神経・副交感神経のバランスが崩れることがあります。そのため、体温調整、血圧や心拍数、呼吸といった、生命の根幹を司る機能の異常をきたす場合があり、そのときには速やかに絶食を止めないといけません。さらに、絶食から回復するときに、ただカロリーを摂れば良いというものではなく、カロリーをきちんと体に取り込むに、様々な栄養素も一緒に摂る必要があります。そうしないと、不可逆な脳の異常をきたす場合があります。
このように、たかが絶食と言っても危険な行為であるという認識が必要です

まとめ

痩せたいからといって、無理矢理絶食をすることは、時には命に関わることになりかねないため、大きな危険を伴います。また、訳あって絶食をする場合は、医師の指導のもと行いましょう。

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