身長が伸びるという現象について
身長が伸びるとは骨が伸びるということです。成長段階の各骨には「骨端線(こったんせん)」という、骨がまだ骨になりきれていない軟骨の状態です。この骨端線が消えてくるまでは骨は伸び続けることができます。
骨は末端の方から先に伸びるもので、足の骨→膝下の骨→太ももの骨→胸郭というような順序で発達します。因みに、身長が伸びる前には先に足(靴のサイズ)が大きくなる傾向があります。
骨の成長と筋肉の関係
体が成長していくプロセスでは、まず骨が伸びその次に筋肉が発達し、続いて靱帯という順番になります。
筋肉は骨にくっ付いているため、骨が急速に伸びるとその成長速度に筋肉が追い付かず、筋肉が骨に付着する部分を引っ張ってしまい、場合によっては痛くなります。これが成長痛です。
激しいスポーツをされているお子様においては、筋肉が疲労し硬くなってしまっていると、成長痛が起こりやすくなってしまいます。そのため、体を使いっぱなしにしておくのではなく、競技後や就寝前などにストレッチやマッサージを行い筋肉をほぐして疲労を溜め込まないようにしなくてはなりません。
ローリングをすると身長が伸びる?
まず大前提として、「身長の伸び=骨の伸び」です。ローリングをすることで骨の成長を促進することは考えにくいと思われます。しかし、硬くなった筋肉をローリングして緩めることで、骨の成長を妨げる要素を減らすことに繋がります。
成人、特に高齢の方において、若い頃より背が縮んでしまったということをよく見聞きするかと思います。このような場合は、背骨の椎間板などが薄くなってしまうことで背が縮むと思われがちですが、実際は全身あちこちの筋肉が硬くなる(縮む)ことによっても引き起こされているのです。
当院で全身ローリング施術を行う前と後の身長を比較すると、老若男女問わずほぼ全ての方の施術後の身長が平均して1〜2cm高くなります。これは縮んでいた筋肉が緩むことで、関節が解放され、また姿勢も良くなることから本来の身長に戻っているためです。
前述のように、成長痛をお持ちのお子様は、骨の伸びに筋肉の伸びが追いついていない状態であるため、筋肉をローリングして柔軟にしてあげることは骨の成長を助けることにも繋がることと言えるでしょう。